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どちらも、死後に脳をすりつぶした材料の話です。面白いけど、もっといろんな病気でやるとか、知能との相関とか、とことんやってもらいたい。生前のアタマの使い方とかは、影響しないのでしょうか。
悲しいかな、レビューアのほうから、誤った統計計算を要求してくることもあるのが辛いところです。
この論文でのFDRは、一貫性はあるようですが、どういう理屈なのでしょうか。
中国はともかくライプツィヒにケンブリッジ大学という共同研究で、誤った統計計算が出てくるとは驚きです。
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私はプログラマです。1040 formに私の職業としてそう書いています -- Ken Thompson
ざっと元ネタを読んでみた (スコア:2, 参考になる)
ヒトへの進化に関連した(要はヒト特有の?)遺伝子の発現を調べてみると、22個のうち6つが、統合失調症と健常者で違いがあるものだった。その6つはすべて、22個のうち7つしかないエネルギー代謝に関連したものだった。
→病気とエネルギー代謝に関連が!(でもヒト特有じゃない遺伝子はどうなの?)
2) 脳の、アミノ酸とかいろいろな代謝産物の含有量(今回の新しいデータ)
識別できた21種類の分子の存在比率を主成分分析にかけたら、健常ヒト・統合失調症・チンパンジー・アカゲザルの4者が分離できた。
→病気とエネルギー代謝と、さらに進化に関連が!
どちらも、死後に脳をすりつぶした材料の話です。面白いけど、もっといろんな病気でやるとか、知能との相関とか、とことんやってもらいたい。生前のアタマの使い方とかは、影響しないのでしょうか。
Re:ざっと元ネタを読んでみた (スコア:4, 参考になる)
コメントを。
簡潔に言えば、私もこの論文は「言い過ぎ」の部類だと思います。
これはその通りなのですが、一見健常者、統合失調症患者、チンパンジー、アカゲザルできれいに
分かれるような図(Figure 2)は最も重要なファクター、つまり「組織採取時の個体の年齢」
の影響を表しているに過ぎないように見えます。
もっと専門的な話をすれば、解析方法にごく基本的な誤解/誤りがあり、ちょっと私には読むに耐えま
せんでした。
例えばNeighbor-joning法で描かれた系統樹(Figure 3)の枝の長さを進化速度に対応させるのは間違って
いますし、検定方法でも有意水準を一定させない、FDRの意味を誤解している、Man-WhiteneyのU検定を使って
いるだろうところ(9遺伝子と12遺伝子の連鎖不平衡比較)でWilcoxonの検定を使ったと書くなど、
レビュアーは何を読んでいるのかという気持ちになりました。
そもそも脳というのはかなり遺伝子発現がイレギュラーな組織なので、脳全体の発現データをもって
何かを言おうとするのは危険ですし、エネルギー代謝の進化が特徴的に見られるとしても、血液脳関門 [slashdot.jp]の
関与を考えれば軽々に経口摂取された食物との関係は言えないと思います。
kaho
Re:ざっと元ネタを読んでみた (スコア:1)
サンプルの年齢については、前半のネタにlinear regressionで除いた、と書いてあるので納得してましたが、たしかに後半はその限りでないですね。でも、いま補遺のファイルを見てみたところ、ヒトおよびサル同士では年齢は(PCAの分布ほどは)違いません。歳だけでもないということでしょうか。
私は統計が弱いので単に、前半の話で、本当にそこまでの計算が必要なのかと思っていました。悲しいかな、レビューアのほうから、誤った統計計算を要求してくることもあるのが辛いところです。この論文でのFDRは、一貫性はあるようですが、どういう理屈なのでしょうか。中国はともかくライプツィヒにケンブリッジ大学という共同研究で、誤った統計計算が出てくるとは驚きです。
Re:ざっと元ネタを読んでみた (スコア:2, 参考になる)
それは確かにありますね。最近では統計的な評価をしないと論文が通らないことも多いですが、逆にP値が書いてあれば安心するという
レビュアーもいるのも実情です。
最近では拡張して適用されるのかもしれませんが、私の認識ではFDR (false discovery rate)は多重検定において個別のP値を過大評価
しないように行う補正であり、FDRの水準をまず先に決めて(一般にはα=0.05など)ある検定のP値が多重検定の補正に耐えるかどうか
の判定をするものです。
従ってFDRの出力は真偽値であるのにFDR=11%と数値を出力にしているのは大変違和感があります。
残念なことですが日本でも海外でも、どんな有名な研究機関でも、実験の専門家が統計の専門家であることは少ないので、チームの中に
統計分析に詳しい研究者がいないとこういうことはよくあります。とはいっても統計の専門家には生物学のデータがどういう性質のものか
伝える部分で困難があるので単純に統計学者を入れれば解決されるわけではないのですが。
kaho