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米トヨタの「ドッキリ」マーケティング、訴えられる 19

ストーリー by hylom
やりすぎです 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

米トヨタが行った「ドッキリ」式マーケティングキャンペーンに引っかかったカリフォルニア州の女性が、「精神的被害を被った」として、1000万ドルを求め米トヨタを訴えているそうだ(本家記事abc News)。

このキャンペーン、米国で人気の「ドッキリ」系TV番組「Punk'd」風に一般人を騙して最後にネタ晴らしをする、というもの。もちろんその模様はビデオに撮影されて公開され、そのビデオにはトヨタ車「Matrix」が必ず登場するようになっている。いわゆる「口コミ的手法」による話題作りが目的のようだ。

このキャンペーンで問題だったのが、登録した人がドッキリにはめられるわけではなく、登録者が「ドッキリにはめたい友人」を推薦する、というところ。さらにドッキリにはめられる候補となった人には一応同意を求める文書が届くそうなのだが、その文書が非常に分かりにくかったらしい。

問題になった「ドッキリ」の内容は、英国から逃亡中との設定の「Sebastian Bowler」という架空の人物から5日間に渡りメールが送られてくる、というもの。ご丁寧に架空のMySpaceのページも用意されていたほか、「Bowler氏が引き起こした」という設定の数々の「問題のある」動画なども用意されていたそうだ。

今回訴訟を起こしたAmber Duickさんは、「自分の名前や住んでいる場所まで知っている犯罪者が自分を探しに来る」と恐怖を感じ、食事や睡眠、また仕事にも支障をきたしたとのこと。5日後にいたずらだと分かったときには相談した周囲の人々は笑ったそうだが、本人にとっては笑いごとではなく、訴えを起こすことにしたそうだ。

なお、米トヨタのスポークスマンは「訴えを起こしている個人はキャンペーンに関する電子メールやその他通信をトヨタから受け取ることを明確に許可している」と説明しているとのこと。Duick氏の弁護士曰く、この「許可」とはいたずらを仕掛けた友人が事前にDuick氏にメールした「性格テスト」に含まれていたリンク先の難解な文章が根拠となっているそうで、Duick側はキャンペーンへの同意は無効であると主張している。

このマーケティングキャンペーンは米トヨタと米大手広告会社Saatchi & Saatchiが行った「広告嫌いな35歳以下の男性」をターゲットにした企画だったそうだが、この企画、Matrixの販売を伸ばすのにではなく人々の広告嫌いを助長させるのに貢献した気がしてならない。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • どっきりの黄昏 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by s02222 (20350) on 2009年10月19日 16時55分 (#1656428)
    そもそも、一般人に対してどっきりネタをしかけてやろうってのが、古き良き(?)お祭り騒ぎ時代のテレビのノリですね。 冷静に考えると訴えられてもしょうがない。 「個人」がここまで強くなってくると、過激なネタはもう無理でしょうね。
  • by Anonymous Coward on 2009年10月19日 14時24分 (#1656326)

    こっそりユーザーのマットに細工して、アクセルが戻らなくなるようにするのかと思った。

    ああ、細工しなくてもいいか。

    • by Anonymous Coward
      同シリーズの他車種用マット流用という細工をしないと発動しないという情報もありますよ。ここだけの話なのであくまでも内密に。
  • by Anonymous Coward on 2009年10月19日 14時05分 (#1656315)
    「ワンクリック詐欺」「ツークリック詐欺」みたいなものか。
    #契約内容が非常にわかりづらいという点で

    #この手の「ドッキリ」は嫌いなAC
    • by Anonymous Coward

      > キャンペーンに関する電子メールやその他通信
      の中に、精神的被害を受けるようなものが含まれてるなんて思えませんよね。
      そもそも騙そうという意図がある以上、企画が完全に説明されていたわけではないでしょう。

      まず間違いなくトヨタ側の負けになるでしょうね。

      • by Anonymous Coward

        トヨタ側というより広告会社側ではないのかな。

        訴訟人としては、むしる対象としてはトヨタの方が美味しいだろうからトヨタが悪いことにしたいだろうけど。

        まあ馬鹿な広告会社の口車にのせられた挙句に賠償金をむしり取られることになるのかな。

  • さらにこれが (スコア:0, オフトピック)

    by Anonymous Coward on 2009年10月19日 14時18分 (#1656322)

    自作自演 [yomiuri.co.jp]である可能性も否定できない

  • by Anonymous Coward on 2009年10月19日 15時08分 (#1656351)

    円高とは言え、ざっくり10億円。死亡保険だってせいぜい3億円程度らしいのに
    ふっかけるなあ。

    前にタバコで肺がんになった人に何兆円か支払う話があったけど、人の命にそこまでの価値はないと思う。懲罰的なんとかってやつにしてもだ。

    • by lamvision (16580) on 2009年10月19日 15時18分 (#1656361)

      まぁ、むこうは弁護士がすごいですしね。
      成功報酬の割合ってどのくらいなんだろ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2009年10月19日 18時56分 (#1656503)
      > 人の命にそこまでの価値はないと思う。懲罰的なんとかってやつにしてもだ。

      理解してるのかしてないのか分かり難い人だな。
      「懲罰的なんとかってやつ」だと、人の命の価値なんて関係無い。
      懲罰の対象が社会に対しもう二度と不適切な事をやらかそうと思わない様に、
      十分に痛いと感じられるだけのペナルティを与える必要がある。

      一般人ならば一千万円でも十分に重いペナルティだろうが、
      世界的大企業に見合うペナルティともなれば、相応に大きくなる。
      「ちょっと広告費が嵩んだと思えばいいや」程度のペナルティで済ませたら、
      「どうせまた払えばいいんだろ」と似たような事やらかす可能性がある。

      今回の要求額が妥当かどうかは米国の司法と世論が考える事ではあるが、
      まず間違いなく、貴方の言う「懲罰的なんとかってやつ」が重要視され、
      被害者がそれだけの被害を負ったか否かは二の次になるだろうね。

      (そもそも「人の命の価値」に関する問題ではないから)
      ストーリーとは何の関係も無いながら、ついでにコメントさせて貰えば、
      貴方は簡単に「人の命」と言うけど、貴方にとって「自分の命」と、
      「何処か遠くの名も知らぬ他人の命」って同じ価値なの?
      たぶん多くの人にとって「自分の命」はプライスレスなんだけどさ。

      裁判ってのが「個々の利害」や「社会の利害」を調整するもので、
      社会の中の普遍的な価値の評価なんて目指していない事は分かるよね?
      それとも、米国司法は「価値について」貴方に教えを請うべき?

      # 「懲罰的なんとかってやつ」を全肯定する気は無いが、
      # 理解した上で叩くなら兎も角、耳ふさいで「あー、聞こえなーい」みたいな態度はねーよ
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      人の命にそこまでの価値は無いというのには同意だが、
      懲罰的なんとかだったらトヨタから数千万円程度とっても
      何の懲罰にもならんのでそれくらいふっかける必要があるんでしょう。
      懲罰的なんとかがよいシステムなのかというのはまた別の問題ですけどね。
    • by Anonymous Coward

      円高とは言え、ざっくり10億円。死亡保険だってせいぜい3億円程度らしいのに
      ふっかけるなあ。

      言い値で決まるわけじゃないんだから交渉術として最初にふっかけるのはあたりまえではなかろうか。

  • by Anonymous Coward on 2009年10月20日 12時23分 (#1656903)
    この訴え自体がドッキリでした! とかだったら面白いのに。
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身近な人の偉大さは半減する -- あるアレゲ人

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