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怠惰が種を絶滅から救う?救わない? 59

ストーリー by headless
絶滅 部門より
怠惰であることが種を絶滅から救うことを示唆するという、カンザス大学の研究成果が発表された(カンザス大学のニュース記事SlashGearの記事論文アブストラクト)。

研究では鮮新世から現代にいたる西大西洋の二枚貝と巻貝299種を対象に、博物館に収蔵されている標本で測定した大きさとHadCM3気象モデルによる海洋温度から基礎代謝率を算出。その結果、基礎代謝率の高い種ほど絶滅する可能性が高いことがわかったという。この結果から、研究者は「適者生存」ではなく「怠け者生存」の方が生命の歴史に対するよりよい比喩ではないかと述べている。

一方、オーストラリア国立大学の研究では、ホモ・エレクトスが絶滅したのは怠け者だったことが理由の一つだと指摘している(オーストラリア国立大学のニュース記事論文Daily Mail Onlineの記事)。

アラビア半島で発掘された旧石器時代の人類の痕跡によれば、ホモ・エレクトスはあまり努力しない戦略をとっていたようだ。たとえば、少し離れたところまで行けば石器に適した石が手に入ることがわかっているにもかかわらず、手近な石を使っていたという。一方、ネアンデルタール人やホモ・サピエンスは山に登って石器作りに適した石を入手していたらしい。また、怠け者なだけでなく保守的でもあり、環境の変化に応じて道具を変えることをせず、同じ道具で同じことをしていたとのことだ。
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  • 解釈がおかしくないか (スコア:5, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2018年08月26日 19時50分 (#3468870)

    基礎代謝ってのは自動車でいえばアイドリング時の燃料消費みたいなもの、それが多いってことは「怠けてる」時もムダにエネルギー消費してるわけだから、生存競争上は不利に決まってる。怠け者がじゃなく省エネタイプが勝ったんじゃないの。

    一方で後段のホモ属の行動指向の話は、代謝レベルの生命活動じゃなくて生活してくうえでの最適解を目指した方が(一時的に負荷がかかっても)長期的な生存可能性を高めたかもって話で、並べて比較するようなモノじゃないだろう。

    • by hjmhjm (39921) on 2018年08月27日 12時59分 (#3469114)

      「怠け」というから後ろ向きに解釈してまうけど、もし「laziness」だったらまた違うんでは。
      もともと「省エネ」的なニュアンスだったりして。w

      いや、原文はしっかり読んでないのでわからんけど、プログラマ的には「遅延評価」の原語を考えたら、ひょっとするとありそう?

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      同意。一緒くたにするには無理があるな。

    • by Anonymous Coward

      基本同意だが、結局はケースバイケースなんだろ。

      冬眠できることが有利に働くなら、全ての動物がそうしてたはずだが、
      他の動物が身動き取れない時に無理してでも動くことができれば、
      動けない奴にトドメ刺すのは簡単だったろう。

      • by Anonymous Coward

        冬眠する能力は「怠惰」なのか?って話だろ。

    • by Anonymous Coward

      それもそうだけど、この手の話ってたいてい種が存続することがいい事
      みたいに書いてあるけどなぜだろう。

      個体が長生きするのがその個体にとっていいことなのは分かるけれど
      その個体の寿命以上の長期間その種が存続する必要なんてどこにもなくない?

      • まずは主体が個体か種かに寄るんじゃないですか
        種としては種が長続きしたほうが良い。
        というか長続きしない方がいいとか言う種は滅んでしまうので生き残るのは「長続きしたほうが良い」と言う種になるでしょう。

        そういう状況下では個においても
        「俺さえ生き残れば種なんかどーでもいいや」ってより
        「俺は死んでもいいからみんなを助ける」って方が好ましいということになるのは必然じゃないでしょうか
        前者ばかりでかつ種を永続させる作戦もあるでしょうが、それを取る理由がなさそうです。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        どこにも「良い」とか「悪い」とは書いていないように読めるが?

        今,見られる生物種は,結果的により存続するのに有利な性質を
        持ったものである言っているだけでしょう.

        • by Anonymous Coward

          たとえば救うとか言う言葉から絶滅がよくないことであるかのような印象を受ける。

          • by Anonymous Coward

            単に「残る」という結果に対しての効果の比較をしているだけですよ。

      • by Anonymous Coward

        『利己的な遺伝子』的には、むしろ逆では?
        長期間その種(と言うか、遺伝子)が存続することこそが重要で、個体が長生きする必要なんてどこにもない。

  • 今のみんなを見渡して思うことは、石器作る人は100人に1人くらいで、他はスキルがないか、作れないフリの「ぼくちゃん」で、デキる人に丸投げしてるからなあ。
    で、そういう、「じっとしておれない」「新しもの好き」「リスクマネジメント方面が雑で向こう見ず」「褒められたい」って性向を持つ個体比率の違いは、集団がヤバい危機に直面したとき、奇跡的な生還のカギとなることもあるし、逆にそのせいで全滅することもある。

    --
    ヽ( )`ω´( )ノ
  • by NOBAX (21937) on 2018年08月26日 19時51分 (#3468871)
    子孫が作れないだろう
  • エレクトス : 100万年間存続 (180万年前~70万年前)
    ネアンデルタール人 : 40万年間存続 (40万年前~2万8千年前)
    サピエンス : 30万年間存続中 (30万年前~現在)

    https://en.wikipedia.org/wiki/Human_evolution#Evolution_of_genus_Homo [wikipedia.org]

    • by Anonymous Coward

      サピエンスだって30万年前に神の手で突然出現したわけではなくて祖先種から進化してきたわけだが。まさに環境に適応して変化できなかったからエレクトスは70万年も前に滅んだんでしょ

      • by Anonymous Coward

        いやいや。
        ホモ・サピエンスの祖先ホモ・エルガステルはホモ・エレクトスの亜種(または近縁種)なので、そういう意味では環境に適応して変化したとも言えます。

  • by miyuri (33181) on 2018年08月27日 11時01分 (#3469048) 日記

    菌だとかゴキブリは、どうだろう。

  • 真に必要なのはコレ
  • by the.ACount (31144) on 2018年08月27日 12時53分 (#3469109)

    デバッグなんかで偶然に意味を付けようとして迷走する事ってあるよね。
    ホモサピエンスが生き残ったのは単なる偶然かもよ。

    --
    the.ACount
  • by Anonymous Coward on 2018年08月26日 19時26分 (#3468866)

    苦痛があって、それを取り除いて楽になるために努力をするんだとしたら、苦痛に鈍感でも苦痛に敏感すぎても生存できなそう。

  • by Anonymous Coward on 2018年08月26日 19時49分 (#3468869)

    所詮は結果論だが、播種による種族生存には、好奇心と勤勉が向いているのでは?

    # グータラには、エネルギー消費が少ないメリットはある。

    • by Anonymous Coward

      捕食者側か被捕食側か。食料の獲得が容易な地域か否か。群生するか単独で活動するか。気温は高いか低いか。ありとあらゆる要素が影響するため結局結果論と言うよりはケースバイケースでしょう。
      まあ安定した環境(競合の変化も含めて)では種が繁栄する方向ないし安定した状況下にある場合現状維持の保守的選択のほうが有利。
      環境が不安定な場合新しいことを始めた種が有利と言うよりはたまたま新しい環境に適応できた種が正解なんでしょうな。
      //と言うか貝のような単純な生物には勤勉もクソもないし好奇心は文字通りない
      //チョウチンアンコウのオスには好奇心がないのかとかフジツボには勤勉さが欠けているとか言い出すとアホ臭いし

  • by Anonymous Coward on 2018年08月26日 19時54分 (#3468872)

    俺達の生き方がついに正しいと証明されたんだな

  • by Anonymous Coward on 2018年08月26日 20時46分 (#3468881)

    ○一生懸命効率化

    基礎代謝が高いってのは、浪費が多いって事。浪費することが努力って発想が意味不明。

    • by Anonymous Coward

      恒温動物の基礎代謝は変温動物より高いから浪費してることになるけど、繁栄してるのは恒温動物。
      基礎代謝を高めて活動性を保つことで適応環境の幅が広がったから、極圏でも生活できる種がいる。
      そのかわりエネルギー摂取要求量が上がったからいいことばかりじゃない。
      他でも出てるけどケースバイケース、結果よければすべてよし。

      • by yasuchiyo (11756) on 2018年08月27日 19時18分 (#3469349) 日記

        現在知られている生物種の約半数は昆虫で、生息域も熱帯から高山や極地まで広がっています。ただし海に適応した種はほどんどいないようですが。
        また、バイオマスでみると寄生虫が半分近くを占めるという説もあります。

        変温動物に分けられる彼らもまた繁栄しているわけで、まさにおっしゃる通りケースバイケースですね。

        親コメント
  • by esuta (40045) on 2018年08月26日 21時02分 (#3468885)

    title / only

  • by Anonymous Coward on 2018年08月26日 21時11分 (#3468890)

    絶滅していないんだけど?

    • by Anonymous Coward

      普段は動かないけど
      餌を取る時や排泄時は普通に動くらしい
      頑張れば川も泳ぐし
      実際はそこまで怠けてないのでOK

      ただ古代に居たオオナマケモノ(メガテリウム)は絶滅したので
      上の貝の事例と当てはまるものはあるかと
      そういう意味では現在残っている種は怠けていた可能性

      • by Anonymous Coward

        怠け者は排泄のために木から降りるときもゆっくり降ります
        排泄もゆっくりします
        木の上に戻るときもゆっくりです
        怠け者にとって木から降りる排泄時が最も危険です
        泳ぐと言っても流されるという方が近い

        • by nemui4 (20313) on 2018年08月27日 7時35分 (#3468969) 日記

          >怠け者は排泄のために木から降りるときもゆっくり降ります

          確かンコするときだけは樹から降りるんだっけ。
          その他、寝るのも交尾も出産子育ても全て樹上らしい。

          死因は環境変化(温度変化)が多いって昔聞いたけどホンマなんすかね。
          最近の日本に居たら即滅。

          お腹いっぱいの状態でも気温が数度変化したらそのままお亡くなりになるケースも有るとか。
          代謝を抑えるためにホメオスタシスすら犠牲にしてるのは潔い。

          親コメント
  • by Anonymous Coward on 2018年08月26日 21時19分 (#3468892)

    要は体が小さいってだけの話で、そら体積に比して表面積が大きいんだから散逸する熱を補うために
    体温が高いというだけのこと。別に活動的だって話じゃないよなぁ。んで、他のパラメータが全く同じで、
    活動的だったかそうでないかだけが違っていて、絶滅率に差があったというならともかく、
    体の大きさが違い、そうすれば当然餌にするものも違い、天敵も違い、といろいろ生き残りにかかわりそうな
    パラメーターが違う中で、なぜ代謝率だけに注目して絶滅の理由とするのか(しかも本当に当時の小さい生物がなべて
    活動的だったかどうかはわからない)。

    人類の祖先についての件もそう。ホモ・エレクトスは高品質な石器づくりにあまり執着しないようだったというのは、
    遺跡などから推し量れるとして、それが絶滅の要因の一つであると示唆するような証拠があるわけでもあるまい。

    • その高い体温を維持する必要があるし、身体が小さいとエネルギーの蓄積量も少ないため短い間隔で食料を摂取する必要がある。
      だから基礎代謝が高いほど活動的になるのは必然で、現実の生物でもそういう傾向が確認できてるそうです。

      --
      うじゃうじゃ
      親コメント
      • 元記事の『基礎代謝率の高い種ほど絶滅する可能性が高い』ってとこには身体の大きさとか書いてないし(論文の詳細は知らんけど)、その辺すっ飛ばして『「適者生存」ではなく「怠け者生存」』ちうのはおかしいやろ。

        あーんど、石器作るのに手間惜しんだ方が早く滅んだってのと基礎代謝って全然関係ないのに、なんで並べて比べてるん。

        親コメント
        • それ言うなら先に「基礎代謝率と体温の相関は恒温動物の話で、貝類にそのまま当てはめるのはおかしい」の方が先ですわ。
          さっきのコメントはあくまで元コメントに対してのつっこみ

          あーんど、基礎代謝の話と石器を作るのにどれだけコストをかけるかはどちらも「活動的かどうか」を推測するパラメータとして出しているだけなので、基礎代謝と比べてると解釈してる時点で誤読

          --
          うじゃうじゃ
          親コメント
          • 恒温動物の話をそのまま貝類に当てはめんなや、(どっちが前でもいいけど)と言うのは同意。

            で、基礎代謝ってのは安静にしてても必要な生命維持のためのエネルギーのことなので、その生物が「活動的かどうか」を推測するパラメータにはなり得ない。
            だから、基礎代謝が高い方が絶滅しやすいという観測結果があったとしても、怠惰な方が生き残るということにはならない。

            あと、貝類の「怠けもの生存」説とホモさんの「怠けもの絶滅」説を並べてるのは元記事であって、私はそれを並べるのはおかしいと主張しているのですが、なんで誤読とか言われなきゃいかんのですか。

            親コメント
        • by Anonymous Coward

          そもそも、適者生存ってのが間違ってる。
          アレは、適者が生存する、って意味じゃなくて、生存したのが適者だ、って意味でしかない。言い換えれば適応できたものが生存してる、ってだけ。

          だから、怠けるのが適応なら生存するし、勤勉が適応なら生存もする。
          環境次第ってことよねぇ。

          ってわけで、元論文というより元記事がなんか変なんじゃねーかな…。

        • by Anonymous Coward

          > 元記事の『基礎代謝率の高い種ほど絶滅する可能性が高い』ってとこには身体の大きさとか書いてないし

          博物館に収蔵されている標本で測定した大きさとHadCM3気象モデルによる海洋温度から基礎代謝率を算出。

          とあるように、体の大きさを基礎代謝量推定のパラメータとしているんだよ。

  • なんだかもうね 記者には批判精神を期待出来ないっていうか
  • by Anonymous Coward on 2018年08月26日 22時47分 (#3468912)

    > 環境の変化に応じて道具を変えることをせず、同じ道具で同じことをしていた

    現在でもガラパゴス(ガラパゴス諸島ではない)に多数生き残っているような

  • by Anonymous Coward on 2018年08月27日 11時52分 (#3469078)

    勇於敢則殺、勇於不敢則活。此兩者或利、或害。天之所惡、孰知其故。是以聖人猶難之。

    積極的な生き方、消極的な生き方、いづれの生き方も一長一短
    将来、物事が如何に推移し、何が命運を分けるのかを的確に判断するのは容易くない

    結局のところ、環境の変化が偶然どちらか一方に有利(不利)に働いただけだと思うわ

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あと、僕は馬鹿なことをするのは嫌いですよ (わざとやるとき以外は)。-- Larry Wall

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