国際宇宙ステーションの宇宙飛行士、クッキーを焼く
国際宇宙ステーション(ISS)でクッキーを焼く実験が成功したようだ(クリスティーナ・コック宇宙飛行士のツイート、 The Vergeの記事、 NASAのブログ記事)。
クッキーを焼くのに使われたオーブン「NanoRacks Zero-G Oven」はISSの微小重力下で使用できるようZero G KitchenとNanoRacksが共同開発した円筒形のもので、NanoRacksのフレームに設置されている。Zero G KitchenのWebサイトには日本の実験棟「きぼう」に設置するとの記述もみられる。クッキー生地はDouble Tree by Hiltonのチョコレートチップクッキー生地だ。これらは11月の補給ミッションでISSに運ばれ、12月に入ってからテストが行われていた。
完成したクッキーについてNASAのクリスティーナ・コック宇宙飛行士が「サンタのために宇宙クッキーとミルクを作った」とツイートしているが、主に作業したのはISSコマンダーでESAのルーカ・パルミターノ宇宙飛行士のようだ。パルミターノ宇宙飛行士によればオーブンの使い方は非常に簡単だが、焼く時間については試行錯誤が必要だったという。そのため、最初の3回は生焼けだったが、あとの2回はうまく焼けたそうだ。
将来の長期にわたる宇宙ミッションでは、焼きたての食品が心理学的および生理学的に良い影響をもたらすと考えられている。ただし、ちゃんと焼けているかどうか確認できないものを宇宙飛行士に食べさせるわけにはいかないので、今回焼いたクッキーはそのまま冷凍して地球に送り返され、分析が行われるとのこと。その代わりにISSの宇宙飛行士が食べられるよう、Double Treeの完成品クッキーも送られているとのことだ。