北米で「pumpkin」といえば、ハロウィンのランタンに使うようなオレンジ色の果皮のカボチャを指すのが一般的だが、パンプキンパイなどに使う缶入りのパンプキンピューレは「100% Pumpkin」と書いてあっても果皮が緑色のセイヨウカボチャなどが使われていることが多いそうだ(
Consumeristの記事)。
カボチャ属(squash:
Cucurbita)にはズッキーニのように未熟な果実を食用にするものもあるが、熟した果実を食用にするものがいわゆるカボチャだ。このうち、pumpkinと呼ばれる品種は主にペポカボチャ種(
C. pepo — 例:
Connecticut Field Pumpkin)に含まれ、セイヨウカボチャ種(
C. maxima — 例:
Big Max Pumpkin)やニホンカボチャ種(
C. moschata — 例:
Long Island Cheese Pumpkin)にも含まれる。pumpkin以外のカボチャはsquashとして区別されるが、果肉はpumpkinと同様に黄色~オレンジ色で甘いカボチャ味だ。なお、果皮がオレンジ色ではない
Jarrahdale Pumpkinや果皮がオレンジ色の
Buttenut Orange Squashもある。現在日本で一般的なセイヨウカボチャ(栗かぼちゃ)は「
Kabocha Squash」だが、「Japanese Pumpkin」とも呼ばれる。
さて、「100% Pumpkin」の缶詰にsquashが使われる理由だが、米食品医薬品局(FDA)は1938年以来、squashのみを使った製品やsquashとpumpkinを混ぜた製品に「pumpkin」「canned pumpkin」などと表示することについて
規制を行わないと缶詰製造業者に伝えているのだという。本来は不当表示になるのだが、缶詰を使いやすくするためにpumpkinとsquashを混ぜることはしばしば行われており、消費者を欺いているといった証拠がない限り方針を変更するつもりはないとのことだ。