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医療

アメリカの分子生物学者、麻疹の危険性と有効な対策を解説

タレコミ by yamajun88
yamajun88 曰く、
欧米で猛威を奮っている麻疹だが、麻疹ウイルスがなぜこれほどまでに危険なのか、アメリカの大手総合病院メイヨー・クリニックの分子生物学者ロベルト・カッタネオ氏が WIRED の記事で解説した。

カッタネオ氏によると、麻疹ウイルスが危険な原因は 2 つある。1 つ目は、ウイルスが身体の免疫機能をリセットしてしまうことだ。口や鼻から吸い込まれたウイルスは、まず「肺胞マクロファージ」に感染する。肺胞マクロファージには麻疹タンパク質の受容体があるため、ウイルスはこれに乗って最寄りのリンパ節まで運ばれてしまう。リンパ節には過去に感染した病原菌を記憶し抗体を作る細胞があるが、ウイルスはこれに乗り移り、増殖しながら抗体データベースを破壊してまわる。カッタネオ氏の推定によると、感染してから 1 週間で免疫システムの半分以上がダウンしてしまうという。したがって、麻疹の感染者は他の感染症に脆弱になり、長期的後遺症も残りやすい。

2 つ目の危険性は強力な感染力だ。ウイルスに感染したリンパ節の細胞は循環器系に戻り、気管上部の内壁組織に残留する。ここにはウイルスに感染した細胞と結合する特殊な受容体が存在するため、ウイルスは細胞間の緊密な結合を利用して気管全体に蔓延していく。感染の速さは他の呼吸器病原体の 10 倍に達する。気管から剥がれ落ちたウイルスは咳を利用して容易に飛び出し、2 時間以上もその場にとどまる。地下鉄の中で感染者が咳をすれば、免疫のない乗客の 10 人に 9 人は感染するという。

極めて危険な麻疹ウイルスだが、有効な対策はある。保健当局が安全性と有効性にお墨付きを与え、1 歳以上の全ての人に向けて推奨しているワクチンだ。ワシントン州クラーク郡では、2019 年 1 月 1 日以降の発症者が 54 人を超え、麻疹ワクチンの需要が前年同期比で 500% 増加したという。ワクチンの接種に及び腰だった人々も徐々に科学的な対策を受け入れ始めているようだ。

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身近な人の偉大さは半減する -- あるアレゲ人

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