コンテンツ権利者による海賊版情報のクリエイティブな使用法とは?
タレコミ by headless
headless 曰く、
映画会社やテレビ局が敵視する海賊版だが、海賊版の流通量は作品の人気の指標ともなる。そのため、この情報を活用している企業もあるようだ(TorrentFreakの記事)。
動画ストリーミングサービスのHuluでは、放送権を購入する作品の選定にあたり、海賊版ダウンロード数などのデータが重要な要素の一つになっているという。Huluで作品取得責任者を務めるLisa Holme氏はBusiness Insiderに対し、海賊版の利用者は作品を視聴するために法を破ることも辞さない熱烈なファンだとし、より簡単な方法があるなら海賊版の入手に問題がなくても有料のストリーミングサービスを契約するだろうと述べている。
海賊版に関するデータを利用しているのはHuluだけでなく、Netflixは以前から放送権を購入する作品や価格の決定に利用している。また、米ケーブルテレビ局のHBOが制作するドラマ「Game of Thrones」は4年連続でテレビ番組カテゴリーの海賊版ダウンロード数1位となっているが、同社がストリーミングサービス「HBO Now」を開始した理由も、海賊版利用者を新規顧客として取り込むことを狙ったものとみられている。実際、HBO Nowの契約者と従来のケーブルテレビ契約者との重複は1%未満だという。
海賊行為の追跡や情報収集を行うMUSOの最高商業責任者(CCO) Christopher Elkins氏は、海賊版流通などの情報を地域ごとにみていくと違った一面が見えてくると語る。国や地域単位で作品の放送権を購入するテレビ局などにとって、海賊版のデータは地理的なトレンドを示すデータにもなり得る。権利者は海賊版のデータを海賊行為との戦いだけでなくデジタル戦略の一環として使い始めているという。このようにクリエイティブな方法で海賊版のデータを用いることは、視聴者にとっても大きなメリットになるとのことだ。