安価なヒトDNA検査会社、イヌのDNAが送られるというトラップを見抜けず
タレコミ by Anonymous Coward
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3月にアリゾナ州で発生したUberの自律走行タクシーによる歩行者の死亡事故について、ソフトウェアのチューニングが原因だったとThe Informationが報じている(The Vergeの記事、 Ars Technicaの記事、 SlashGearの記事)。
自律走行車ではセンサーにより周囲の物体を検知し、回避が必要かどうかの判断を行う。たとえば、道路上で風に舞うコンビニの袋や、通常は動き出すことのない道路脇に置かれたゴミ箱などの物体は回避不要な物体にあたる。そもそも存在しない物体をセンサーが誤検知することもあるという。
Uberのソフトウェアには誤検知や回避不要な物体を無視する機能が備わっており、回避が必要かどうかの判断レベルを調整できるようになっている。The Informationの情報提供者2名によれば、センサーは歩行者を検知していたものの、ソフトウェアが反応不要と判断していたのだという。誤検知と判断されていた可能性もあるようだ。
センサーが検出した物体をより多く回避するよう調整すれば安全性は高まるが、ブレーキングや方向転換が頻発して乗り心地は悪くなる。一方、より多く無視するよう調整すれば乗り心地はよくなるものの、衝突事故の可能性が高まる。ソフトウェアを後者寄りにチューニングし過ぎたことで、歩行者に反応できなかったとUberの経営陣は考えているとのことだ。
電子フロンティア財団(EFF)が「最も秘匿性が高く安全なメッセンジャーアプリ」という最高評価を与えた「Signal」。米国では上院議員の間で連絡をとるためのツールとしてSignalを使用することが公式に認められている。しかし、その秘匿性の高さゆえに中東やアフリカの一部の国は「Signalの秘匿性の高さが国民の監視を困難にしてしまう」と懸念して、Signalのアクセスを遮断する措置を取ったという。
Signalはこれらの国でも影響力が強く、アクセスが遮断される可能性の低いGoogleなどの大手サービスを踏み台にするドメイン・フロンティングを使用してサービスを継続するという対策を行った。ところが、踏み台として利用されていたGoogleやAmazonは相次いでサービスの設定を変更してメインフロンティングを無効化した。結果、Signalは一部の国で利用不可能な状態に陥ったようだ。Signal創設者であるモクシー・マーリンスパイク氏は、「今後の対応策は検討中」だとしている(GIGAZINEその1、GIGAZINEその2)。
英文でピリオドの後にスペースを2つ続けるとスペース1つよりも読みやすいとする研究成果が議論の的となっている(Ars Technicaの記事、 The Vergeの記事、 The Washington Postの記事、 Lifehackerの記事、 論文アブストラクト)。
ピリオドの後にスペース2つを続けて入力するのはタイプライター時代のなごりだ。等幅の書体で単語間とセンテンス間を識別しやすくするためとされ、ワードプロセッサーでプロポーショナルフォントが使われるようになって衰退した。しかし、2009年に米心理学会が発行したPublication Manual 6th Editionでは、読みやすくするため原稿のドラフトでピリオドに2つのスペースを続けることが推奨され、議論を巻き起こした。
論文を発表した米スキッドモア大学の学生による研究チームは、これまでスペースの数による読みやすさの違いが実験により確認されたことはないとして、学生60人の被験者で実験を行っている。実験内容は 1)テキストを入力してもらい、被験者がスペースをどのように使っているかを調べる、2)ピリオド/カンマに続くスペースの数による読む速度への影響を視線計測デバイスで調べる、というものだ。
1)の結果はピリオドの後にスペースを1つ入力する被験者が39名(A)、2つ入力する被験者が21名(B)。2)の結果はBグループでピリオドの後にスペース2つの場合にスペース1つよりも3%ほど速く読めた(カンマの後はいずれもスペース1つ)のに対し、Aグループでは1%ほど遅くなっている。カンマの後のスペースだけを2つにした文章では両グループとも遅くなったが、ピリオド/カンマともにスペースを2つ続けた文章では、Aグループで速く、Bグループで遅くなっている。いずれの組み合わせでも読む速度はBグループの方がAグループよりも速かった。
平均するとスペース2つのほうがわずかに速くなるようだが、誤差の範囲といえる。また、視線計測テストで等幅フォントのCourier Newが使われていることや、被験者の数が少なすぎることが批判されており、顔を固定したテストは文章を実際に読む動作とは異なるためスペースの数による違いを正確に判定できないという指摘もみられる。1スペース派のNick Douglas氏はLifehackerの記事で、21名もの学生がピリオドの後にスペースを2つ入力するなど信じられないとも述べている。
Stay hungry, Stay foolish. -- Steven Paul Jobs