過酸化水素水の服用が体にいいと信じ、実際に飲んで中毒になる人が米国で続出 102
発泡 部門より
過酸化水素水の服用による「効果」とされるのは、デトックスや体内酸素の増加といったものから、HIVや癌の治療といったものまで幅広い。しかし実際にこのような効果は確認されていないばかりか、服用には危険が伴う。傷の消毒用として販売されている濃度3%の過酸化水素水を一口飲んだぐらいなら、気分が悪くなったり、消化器に炎症を起こしたりする程度ですむが、高濃度の過酸化水素水を飲み込んでしまうと命にかかわる可能性もある。
健康効果を謳うWebサイトなどで特に推奨されているのは「食品グレード」の過酸化水素水(濃度35%)。食品グレードといっても飲食用ではなく、食品を加工する際の消毒用などとして使用が認められているものだ。販売サイトなどでは薄めて服用するように指定しているが、そのまま飲んでしまう人も多いようだ。この場合、放出される酸素の泡が血管に入り、心臓発作や脳卒中を引き起こすこともあるという。
このような偽情報が広まったのは最近というわけでもないが、California Poison Control Systemでは無視できない数の過酸化水素中毒に関する電話を受けているそうだ。調査によると食品グレードの過酸化水素水を飲んだ人の14%未満に塞栓がみられ、7%近くが死亡するか後遺症が残ったとのこと。そのため、California Poison Control Systemでは過酸化水素水を飲まないよう呼びかけている。